【感想】OVA「銀河英雄伝説」本伝・第3期 55~64話

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原作6巻・飛翔篇にあたるエピソード「儀式から再び幕は上がり…」から「休暇は終わりぬ」までを久しぶりにdアニメストアで視聴しました。

「螺旋迷宮(スパイラル・ラビリンス)」がが収録された外伝2をdアニメストアで視聴しました。
https://kazefukukoya.seesaa.net/article/202011article_1.html

本伝2期までと外伝全てを視聴し終えていよいよ本伝の後半へ。ここからの大きな違いはラインハルト側はローエングラム王朝を始めてすでに手に入れた宇宙のさらなる安定を図る、ようするにめでたしめでたしで終わるおとぎ話のその先ということになりますね。一方でヤンたちはこれまでは自由惑星同盟という枠組みの中で戦ってきましたがそこから離れて自分たちで新たな民主主義社会を作るという産みと再生の苦しみを経験することに。自由と人民主権を求める真の戦いが始まるわけですね。

それから原作ではこの辺りから特に「後世の歴史家」の存在が大きくなってくるんですよねー。ユリアン・アッテンボロー・メックリンガーという本編の登場人物たちもその一員となって未来からこの時代の出来事を語ることに。こちらはアニメではあまり出てこないので原作のみの楽しみでもありますね。そういった意味でも原作も再読しながらのアニメ視聴は楽しい。

あとここからは当初の予定だとユリアンがヤンと主人公交代するはずだったんですよね。1期では脇役、2期では準主人公という印象でしたが。ただ交代はまだ先でももうユリアンはここから第3の主人公というポジションになってる気がします。アニメでも1期のエンディングでわかるようにユリアンが主人公になることを見越した描かれ方でしたしね。
しかし僕の中でも今回久しぶりに視聴していく中で、「銀英伝はユリアンの青春を描いた物語」という感覚が以前より強くなってますねー。昔から好きなキャラにはヤンでユリアンは感情移入しやすいキャラという認識でしたがそれがもっとはっきり感じるようになったというか。佐々木望の演技もユリアンの成長に伴って少年から若者という感じで変化していく過程が聴いてて楽しい。ただ、あまりユリアンに感情移入しすぎるとこの3期の終盤は精神的に耐えられるかわからなくなるんですよねー……。
今回ユリアンは地球に行くわけですが、もし当初の構想通りならその目的も調査というより復讐のためになってたのかもしれませんね。

それともう一人、その存在が圧倒的に大きくなったのがフレデリカ・グリーンヒル・ヤンなんですよね。もちろん本伝2期までもヤンの副官としてヒロイン的役割を担ってたわけですが、結婚してからはヤンにとってその時よりもはるかに重要な存在に。彼女の軍人としての能力は例えるなら超高性能のアンプみたいなものでしょうけど、ヤンの妻となったことで遠慮もなくなってお互いものすごく踏み込んだ会話や行動ができるようになったわけで。ラインハルトとキルヒアイスとはまた別のタイプの、最強の組み合わせみたいになったんじゃないかなと個人的には思ってます。周囲もヤンとフレデリカを別々ではなく「ヤン夫妻」ともうセットで見なすようになってますしね。


というわけで本伝3期を視聴していくわけですが、久しぶりにこうやって通して見続けてることもあってエンディングの「歓送の歌」を見るたびに胸の痛みを嫌でも思い出してしまいました。覚悟を決めながらまずは原作7巻に当たる65~76話を視聴したいですね。

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