【感想】真田太平記 3巻「上田攻め」

第一次上田合戦そして小田原攻め。天下は秀吉のものに。

【感想】真田太平記 2巻「秘密」
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動乱の日本もようやく一時的な安定に。今回の3巻ではこれまであまり出番のなかった信幸がかなりスポットを当てられ始めましたね。1巻ごとに主人公が変わっていってる印象です。それと豊臣や徳川それに北条など各勢力についてもしっかり描かれだしてますね。

第一次上田合戦では徳川と北条をいっぺんに敵に回しながらも見事これを撃退。真田の名を天下に知らしめることに。上田城へと敵をおびき寄せる大事な役目をこなした信幸。まだ若いけれども名将になりそうな予感を抱かせますねー。

その後は秀吉の傘下に入ることで徳川と北条が下手に手を出せない立場にうまくなることができた真田。さらに沼田をめぐる争いを秀吉にうまく利用されて北条を攻める口実に。お江によって名胡桃城へ北条が攻めてくると事前に知っていながら見殺しにすることを選択する昌幸。このあたりがじっくり描かれてましたね。「真田丸」では武田信玄のみを心の主君と定めてましたけどこちらでは上杉景勝や秀吉に対して恩義をしっかり感じるところもあるようで。
そう言えばお江の年齢も謎でしたが小田原攻めのあたりで31歳だと答えていたのでやはり1巻開始のころは20代前半だったみたいですね。

しかし角兵衛は相変わらずとんでもなくやばい存在だ。幸村を本気で憎悪してたかと思いきやその力を認めてもらうと今度はあっさりと慕うようになり、今度は信幸に対して逆に敵対心を持つように。純粋な獣とでも言えばいいんでしょうかね。いったい今後どんな風に物語を引っ掻き回すのだろうか。

信幸はいくら幸村が高く評価して昌幸が恐れる器であってもやっぱりまだまだ足りないところもあるのか危機に陥ったり、名胡桃城主だった鈴木手水の遺児である鈴木右近の心情を見抜けなかったりしてますね。そして徳川の嫁である小松姫をもらったこともあり幸村たちとだんだん距離が生まれているのを感じている様子。これがのちの別れにつながっていくわけですね。それと鈴木右近については詳しく知らなかったんですが調べてみるとかなり波乱の人生を送っているようでこちらも面白そう。

次の4巻ではまた草の者たちの活躍が描かれそうですね。


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