【感想】ハイスクールD×D 21巻「自由登校のルシファー」

4章クライマックスはヴァーリ回! そして衝撃の結末がイッセーたちを襲う!

ついに男が表紙を飾るときがやってきた(笑)!
いや、正確には16巻でギャスパーがやってますけどね。ただ姿だけ見れば女の子に見えるのでノーカウントと言えなくもない。単独でなければイッセーも2回表紙になってはいますけどね。これで木場も表紙にいつかはなれるかも。
そして今回はヴァーリ回。オカ研メンバー以外がメイン回というのも初ですね。3章クライマックスの12巻はイッセーの親友ポジションの木場が実質メインでしたが今回は宿命のライバル・ヴァーリに。
ヴァーリって基本クールでそれほど特異な性格をしてないこともあって初期は実はあまり印象に残っていませんでした。ただ7巻で共闘しだしたころから彼にも注目して読んでいく様になりましたね。あとアニメでやたらイケメンだと認識してからはさらに(笑)。巻を重ねるごとに好きになって行ったキャラの一人です。宿命のライバルであるイッセーとはまだ一度しか戦ってないので最終章では決着をつけて欲しいですね!


龍神化の代償として一時は生命の危機に陥ったイッセー。なんとか復活できたものの乳でパワーアップしてきた身体が逆に乳でダメージを受けることに。カラーのピンナップでもリアスやレイヴェルの胸にモザイクがかかって見えなくなるという。小猫だけは胸がほとんどないのでモザイクがかからないようですが(笑)。
いずれにしても龍神化は禁止されたイッセー。しかしアジ・ダハーカとアポプスが率いるトライヘキサと量産型邪龍軍団が全世界に襲撃をかけている状況。あらゆる神話体系の本拠地だけでなく人間たちの前にも堂々と姿を現しての総攻撃。12巻以上のスケールでまさしくハルマゲドン。犠牲者も膨れ上がっている今、休んでいるわけには行かないですね。

トライヘキサ打倒のため動き出すD×Dには幾瀬鳶雄たち刃狗(スラッシュドッグ)チームや朱乃の従姉妹である姫島家当主・姫島朱雀も合流。webで公開されている「堕天の狗神 -SLASHDO/G-」も本格的に本編に絡んできましたねー。無料で読めるとはいえ単行本化が待ち遠しい。
そしてヴァーリが唯一頭が上がらない姉的存在、神滅具「永遠の氷姫(アブソリュート・ディマイズ)」所持者、ラヴィニア・レーニも登場!
胸元に自分の顔を押し付けられて抵抗できないヴァーリがなんとも新鮮(笑)。webで読んでたときはしゃべりかたのせいもあってもっとちっちゃい人かと勝手に思ってましたけど20代前半くらいでめちゃくちゃ美人のようですね。美人慣れしてるはずのイッセーが、「あれならヴァーリが他の女に興味を示さないのも納得」と思うくらいだから作中でもトップクラスっぽいなあ。イラストが早く見たい。そしてこの二人の絡みももっと見たい(笑)。

それからヴァーリの過去も明らかに。父から虐待を受ける中でなんとか自分をかばおうとしてくれた人間の母。ヴァーリがいなくなった後は記憶を消されて人間界に放逐されていた。しかしその後人間と結婚してヴァーリと父親違いの弟と妹が誕生。ヴァーリはこの家族に会うことはあえてしなかったものの遠くから守ることを誓っていたという。母が作ってくれたパスタが思い出に残っているようですがそれがラーメン好きへとスライドしたんだったりして。

出撃の準備を進めるリアスたち。しかしバアル家の城がレーティングゲームランキング3位のビィディゼ・アバドンに襲撃を受けているとの報告が!
城にいたサイラオーグの腹違いの弟、マグダランの元には匙が救助に駆けつける。ビィディゼの狙いは黒幕として大王の首を取ってレーティングゲーム不正の一件を解決したように見せかけようというもの。
サイラオーグの「女王」であるクイーシャと同じ、しかし桁違いの能力の「穴(ホール)」を持つビィディゼに追い詰められる匙。しかしそこに救援に現れたのはやはりあの男、サイラオーグ!
いやー、ほんと毎回かっこよすぎる登場の仕方でしびれまくりですよ。何気に匙の危機に現れたのは17巻に続いて二度目ですね。この二人今後も共に戦うことが増えるのかも。
自分をかばいながら戦う兄の姿を見てこれまで憎悪から影で邪魔をしていたことを涙を流して告白するマグダラン。そしてそれを全てわかっていて受け入れていたサイラオーグ。なんて男だ。
そしてついにサイラオーグも「覇獣(ブレイクダウン・ザ・ビースト)」を発動! イッセーの覇龍のサイラオーグバージョンですね。「獅子王の紫金剛皮(レグルス・レイ・レザー・レックス・インペリアル・パーピュア)・覇獣式」! 「穴(ホール)」さえも破壊する圧倒的な攻撃力でビィディゼを追い詰める! 逃走を図ろうとしたビィディゼはしかし匙が逃がさない! サイラオーグと匙の二人でレーティングゲーム3位の魔王クラスを撃破! いやー、すげえ!

こうして反乱者は撃退されたもののトライヘキサの分裂体がヨーロッパ方面とそして日本に向かっていると判明!
本来なら絶対安静のはずのイッセー。しかし止めてもどうせ出撃すると見抜かれているのでそれならばむしろ一緒に戦ったほうが生存確率も上がるとリアスたちは判断。
出撃前にはヴァーリがイッセーの両親に4巻で殺そうと考えていたこと、そしてイッセーは両親の生死よりもおっぱい半減のほうにより激怒してたと暴露(笑)。そして7巻で話していたチーム戦をしようという話を再びする。リアスの眷属としてでなく、イッセーがリーダーとなってのチームとして。こちらは最終章で実現しそうですねー。
そして決戦前にリアスとわずかな時間を過ごすイッセー。卒業旅行のことやもっと未来、これから先の人生のことを話す二人。イッセーは17巻でリアスにタメ口宣言してましたけど丁寧語に戻ってしまってますね(笑)。まあ実際かえって話しづらそうだったんでこっちの方がやはり自然な気が個人的にはします。精神的にはタメ口ってことで。それからリアスの父の名前もジオティクスだとようやく明らかに。

そして始まる日本・ヨーロッパ防衛戦!
ヴァーリチームと刃狗チームはアジ・ダハーカのヨーロッパ方面、その他のD×Dは聖杯を所持したアポプスを日本方面で迎え撃つことに。初代孫悟空チームや曹操、ストラーダまで参戦してまさにオールスター! デュリオがバランスブレイカーを披露したり木場もグラム以外の魔剣をトルーパーたちに持たせて使ってたりしてましねー。
7つに分裂したトライヘキサをロスヴァイセが考案した術式で同時に停止させることに成功! そのあいだに邪龍たちを片付けるのみ。

ヨーロッパ方面。天龍クラスの力に至っているアジ・ダハーカとの決着をつけるべく戦いを挑むヴァーリ。一進一退の戦いの中でアジ・ダハーカの幻術世界に囚われる。そこは母や弟妹たちと過ごす幸福な世界。強力すぎる幻術に完全に精神を支配されかけたが、かつて弟と妹に会わなかったがゆえに「名前を知らない」ことでそれが偽りの世界だと認識して脱出。哀しい宿命ではありますがそれゆえにヴァーリの心の強さも感じました。
そしてオーフィスの力を借りてヴァーリも龍神化ならぬ魔王化! アジ・ダハーカをついに打ち破る。さらにアルビオンの持っていた毒の力、「減少」も取り戻す。勝ちはしたものの強敵でしたねー。

日本方面。アポプスと戦うイッセー。禁じられていたもののこのままの力では勝てないと判断。大切な人たちを守るため、死ぬ覚悟で禁じられた龍神化を発動、アポプスを撃破!
しかしそこにトライヘキサの意識の集合体が少年の姿となって現れる。このさらなる危機に救援に現れたのはサーゼクス! 未来の義兄弟による共闘。しかしトライヘキサはいくら攻撃されても回復。ついにイッセーの力が尽きてしまう。

もはやこれまでと判断したサーゼクスはついにアザゼルたちと共に準備していた計画を実行に移す。それはレーティングゲームの空間などの応用でトライヘキサを異空間、「隔離結界領域」に閉じ込め、各神話体系の主力もそこに残って永遠に戦い続けるというものだった!
アニメ3期の特典小説で語られた、サーゼクスたちが未来にはいないことになっていた理由がここで明らかになりましたねー。何かが起きていたのはわかってましたがこんなに早くその謎がわかるとは。さらに特典小説で出てきた邪神メルヴァゾアのいる異世界「E×E(エヴィー・エトゥルデ)」についても触れられました。リゼヴィムがこちらの世界への転移方法まであちらに伝えていたという。死んでもなおイッセーたちを苦しめ続ける存在ですね。しかしほんとに特典小説は豪華な予告だったんだなあ。買って読んでてよかった。
サーゼクスはグレイフィアのみ眠らせて眷属たちと共に永遠の戦いの中へ。アザゼルやミカエル、セラフォルーといった登場人物たちが一気に退場することに。少なくとも30年後の未来まで帰還してないことはわかっているのでこの21巻が最後の登場ということになるのかも。そういった意味でもものすごく衝撃的な展開でした。

かろうじて平和を取り戻したイッセーたち。イッセーが受けた龍神化の反動は全てオーフィスが受け持つことに。その代償として幼女から大人の美女に成長(笑)。幼女担当は分身のリリスが受け持つようで。
そして来るべきメルヴァゾアの襲撃に備えて戦力を強化すべく、「レーティングゲーム国際大会」をシヴァとアジュカが実行に移そうとしていた……。


いやー、ものすごい展開でしたねー。特典小説を読んでたので文庫の帯の「「おまえと、イッセーは、俺にとって最後で最高の教え子だ……。」ってアザゼルのセリフを見た瞬間に覚悟は出来ましたが。これだけ多くのキャラクターを退場させるとはほんとに思い切ったことをしたものだ。22巻からは最終章突入ということなのでイッセーたちの物語の総決算になりますね。こうやってきちっと完結させようという姿勢は素晴らしい。
しかし今回の話はスケール大きすぎてアニメ化なんて出来なさそうなレベルまで行ってましたね(笑)。
あとこの4章はレイヴェル・ロスヴァイセ・イリナ・ゼノヴィアといった途中参戦ヒロインをメインとして取り上げていたわけですが、同時に裏テーマとして「家族」の物語があったんじゃないかなという気がしています。特に20巻と21巻はそれが前面に出てたんじゃないかと。
さてレーティングゲーム国際大会というわけですが、どうせならいろいろと夢の対決も見てみたいですね。今のところイッセー対ヴァーリと木場対アーサーは確実でしょうけど。それこそイッセー対木場とかゼノヴィア対イリナなんて仲間同士の試合なんてあったら面白そう。

いよいよ完結までのカウントダウン。そしてスピンオフとか新たな展開も期待したいですね!
ハイスクールD×D (21) 自由登校のルシファー (ファンタジア文庫)
KADOKAWA/富士見書房
2016-03-19
石踏 一榮

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