【感想】ハイスクールD×D 19巻「総選挙のデュランダル」

ゼノヴィアついにメイン回! 生徒会選挙、そして聖剣使いたちの戦いが始まる!

14巻から始まった後発ヒロインたちにスポットを当てていくのがこの4章でしたが、レイヴェル→ロスヴァイセ→イリナとオカルト研究部に加わった順番が遅い順に担当していき、トリを飾るのはゼノヴィア。個人的な感想としては、「ゼノヴィアってメイン回まだだったの?」って感じなんですけどね。近接系でしかも強いこともありますがコンスタントに毎回活躍してる印象だったので。まあ僕がゼノヴィアを好きなんで毎度記憶に残ってるだけかもしれませんが(笑)。
あと今回は久々にみやま零の挿絵が多かったのもうれしかったですねー! 体調不良らしくて心配でしたがかなり頑張ってたくさん描いてくれてます。本編の文章だけでなくこの人の挿絵あってこそのハイスクールD×Dですしね。僕も画集買ったくらいですし。

というわけで本編ですが、冒頭からアザゼル先生が謎の少年と釣り糸をたれて何やら会談を。トライヘキサ復活が現実となった場合、異世界に侵攻するのを阻止してくれるよう頼むアザゼル。聖書の神でさえ命とほぼ引き換えに封印したような相手を阻止できるとはいったいどんな相手なのかと思ったら……。
その相手は破壊神シヴァ!
まさか登場するとは! 作者もあとがきとかで原作が続いたら「シヴァ編」をやりたいと言ってましたが現実味を帯びてきましたねー。雰囲気はかつてのヴァーリに近いかな。もっとやばそうというか凄みも感じますが。いずれにしても今から期待が高まります。

新年ということでオカルト研究部は九重のいる京都へ初詣に。九重も来年から駒王学園初等部に入学するとか。ルフェイやベンニーアも高等部に入ってくるようですし、翌年からの物語も見てみたいかも。リアスと朱乃が通う大学部も歩いてすぐらしいのでひんぱんに顔は見せてくれそうですしね。
そして前回でイッセーと二度目のキスも済ませて仲が一気に進展したイリナは「ダーリン」と呼んで猛攻を仕掛けまくる(笑)。しかしゼノヴィアも負けてはおらず、会長当選祈願とばかりにイッセーにいきなりキス! 他のキャラと違ってラストシーンではなく冒頭に不意打ちでやるというのが逆にゼノヴィアらしい。

アーシア部長体制で新たに始まったオカルト研究部。生徒会長選挙で忙しいゼノヴィアにはイリナと桐生がサポートに。なにげに桐生がすでにイッセーたちが悪魔であることも知っていたことが判明。何の能力もない一般生徒でイッセーたちの正体を知った人物としては初めてかな。
そんな中で三大勢力和平に不満を抱く教会の戦士が起こしたクーデター派がチームD×Dと対決すべく向かってきているとの情報が。
天使と人間との間に生まれた「奇跡の子」司教枢機卿テオドロ・レグレンツィ、先代のデュランダル使いである司教枢機卿ヴァスコ・ストラーダ、教会の戦士たちを指導した先生でありエクスカリバー適性を持つ助祭枢機卿エヴァルド・クリスタルディ。ストラーダは87歳ながらいまだに衰えぬ肉体を持ち、第二次大戦中にコカビエルを追い詰めたほどの男。今回は人間との戦いと言うことになりますね。3巻で転生前のゼノヴィア・イリナと戦ったとき以来かな。あ、でも魔術師とかとは戦ってるか。しかもストラーダとクリスタルディはそれぞれレプリカのデュランダルとエクスカリバーを有しているとか。

そして夜の兵頭邸地下プールではいろいろと対策を練ったりオイル塗りバトルが繰り広げられたりしてますが(笑)。しかしここにきて面白かったのはwebサイト(富士見byond)の方で連載されてる「スラッシュドッグ」がこちらとも絡んでき始めたことですねー。鳶雄とイッセーの会話とかいろいろ興味深かった。こうやって両者がリンクしてくれるとますます楽しめますね。早くスラッシュドッグも単行本が発売して欲しいものです。
それとイッセーとリアスが合体技を考案したようで! お披露目はまだ先になりそうですがこれは楽しみです。

教会クーデター派の挑戦を受け、駒王町で「試合」に近い戦いをすることになったチームD×D。相手も殺す気というわけではなく不満をぶつけたいという様子なので、どちらかというとけんかというある意味これまでよりは気楽な戦いですね。D×D参加メンバーはグレモリー&シトリー眷属とデュリオ・イリナ・グリゼルダたち御使い。チームを二つに分け、クリスタルディ側にはデュリオたち天界組+シトリー眷属、残りがストラーダ担当ということになったものの木場はエクスカリバー使いとの戦うためにこちらに参加を希望。この辺はうまくイッセー視点と木場視点でストーリーを進められるというメリットもありますね。ただ木場がいまだに聖剣計画のことを引きずってるのではと心配するイッセー。こうやって女の子だけでなくダチのこともしっかり気にかけてるのがイッセーのほんとにいいとこだなあと以前からずっと思ってます。
そして木場の代わりにグレモリーチームに加わるのはアーサー! ヴァーリチームでいまだ実力が判明していなかった聖王剣コールブランドの使い手。ようやくどれほどの強さか確認できる!

さてまずはクリスタルディたちとの戦い。シトリー眷属たちが活躍する中、椿姫がついにバランスブレイカー発動! 「望郷の茶会(ノスタルジア・マッド・ティー・パーティー)」。眠り・凶暴化・幻覚のトリプルコンボで敵を戦意喪失に至らしめる能力。敵に回したら恐ろしい能力と木場も戦慄するほど。
そして結界の中でクリスタルディと戦う木場・イリナ・デュリオ・グリゼルダ。5分の1程度の威力しかないレプリカとはいえエクスカリバーを完璧に使いこなし木場たちを圧倒するクリスタルディ。ただの人間なのにとんでもなく強い。最後の手段でグラムを使い脱出を試みる木場を制止するデュリオ。触れたものに大切なものを思い出させる「虹色の希望(スペランツァ・ボツラ・デイ・サポネ)」でクリスタルディだけでなく聖剣への暗い情念を再び抱き始めていた木場の心も癒していく。
迷いを断ち切った木場の聖魔剣が新たな能力を発動! 
魔剣の力で聖なる力を吸収して聖剣を強化、逆も可能となる力を手に入れる! しかもまだまだ聖魔剣はその先があるようなので今後が楽しみですねー。いずれはグラムの完全な制御もできるかもと考える木場。エクスカリバーの聖なる力を全て吸い取られたクリスタルディをイリナ・グリゼルダそしてデュリオの攻撃が襲う。力尽きたクリスタルディをデュリオに任せ、木場たちはイッセーの元へと向かう。

そしてあれほど強かったクリスタルディから「怪物」と呼ばれた87歳のマッスルじいさんストラーダがその実力を見せる! ロスヴァイセの魔法の術式を瞬時に解除、ギャスパー・匙・イッセー・朱乃・ゼノヴィアの攻撃も軽々といなしていく。さらにはリアスの必殺「消滅の魔星」まで一刀両断。 ……強すぎってレベルじゃない(笑)。10代の頃にコカビエルを追い詰めたという話もむしろよくコカビエルが生き延びたとしか。まだそのころは未熟で強くなかったのかな。本物のデュランダルを使わせたら世界トップ10入りする実力者なんじゃないか。しかも神器など持たないただの人間、強烈な信仰心で己を強くしているという。
だが、この史上最強の老人相手についに歩み寄るのはアーサー! コールブランドでデュランダル・レプリカ相手に互角の勝負、木場もその強さに衝撃を受けるほど。アーサーももと英雄派の人間なんですよねー。未来の再戦を約束している木場、果たしてアーサーの領域まで強くなれるのか。

何かを悟り矛を収めて戦場から去っていくアーサー。それに代わってストラーダに挑むのはゼノヴィア。エクス・デュランダルを分断、エクスカリバーとデュランダルの二刀流へと戦闘スタイルをチェンジ、いや本来のスタイルに!
6巻のカラーイラストを思い出しますねー。迷いを捨てたゼノヴィアの攻撃はついにレプリカに亀裂を入れ、老体のストラーダにひざをつかせる。うん、やっぱりゼノヴィアは技巧よりパワーですよね。
そこに割って入ってきたテオドロにより今回の戦いの真意が明らかに。テオドロ少年の両親は悪魔に殺されておりその怒りと悲しみを知りあえてストラーダたちは戦ってみせる道を選んだのだと。18巻でもそうでしたが、和平に至るまでにはやはりどの勢力にも大きな悲しみがあったということですね。

しかしこの場面に乱入して攻撃を仕掛けてきたのは紫炎のヴァルブルガ! 100体近い量産型邪龍を従えてきたもののこれに対策を打っていたのはロスヴァイセ。結界術式で邪龍の機能を全て停止する。すげえ。さらにヴァルブルガの脱出経路は鳶雄が全て排除。逃げ場を失い禁手化で反撃に出るヴァルブルガ。それをイッセーの透過・パイリンガル・ドレスブレイクのコンボと匙の力で封じ、ゼノヴィアが二刀のクロス攻撃「クロス・クライシス」、とどめはイッセーのクリムゾン・ブラスター! 

……こうして戦いは終わり、ストラーダは用意していたものをイッセーたちに手渡すことに。アーシアには追放前に救われた人たちからの感謝の手紙を。さらに眠り続けるヴァレリーのために聖杯の欠片を渡す。これをペンダントにしてヴァレリーもようやくギャスパーのもとで目覚めることに。
そして木場には施設の同志であり結界型の神器を発動させて眠り続けていたために生き延びていた少女トスカと対面させる! ここで木場の本名がイザイヤということも判明。涙を流す木場の姿はほんとに良かったなあと読んでるこっちも感動。仮死状態だったため外見は当時のままのようですが木場は生涯トスカを守ることを決意。登場して数ページであっという間に木場のメインヒロインになってしまうとはまさに反則的な存在ですね。椿姫がこれから逆転できる可能性はかなり低そう。でも頑張れ(笑)。
反乱は収束したもののイッセーが感じたようにほんとに大物でしたね、ストラーダじいさんは。かっこよすぎる老人でした。ゲストキャラとはいえできれば本編が完結するときの最終決戦くらいには援軍として駆けつけて欲しいものです。

ついに生徒会選挙。学園への愛をストレートに最大級の情熱で演説したゼノヴィアが見事会長に当選。ついでに名前が「ゼノヴィア・クァルタ」であることも明らかに。思えばリアスとソーナもオカ研部長と生徒会長で親友という関係だったのでアーシアとゼノヴィアも同じになりますね。副会長は匙。同日発売のドラゴンマガジンの短編も読みましたが、これからゼノヴィアに振り回され続けるんだろうなあ(笑)。

そして。ディハウザー・ベリアルとのレーティングゲームに挑むライザー。今回のみライザーのビショップとして代理で参加するレイヴェル。しかし二人はベリアルによって生死不明の状態に!
いよいよ動き出したレーティングゲームの王者。真意はいかに。


というわけで今回もほんとに濃いエピソードでした。ゼノヴィア回と言いつつゼノヴィア&木場のグレモリー騎士コンビ回でしたね。二人が好きな僕は大満足です(笑)。
そして次の20巻はヴァーリ回! ヴァーリチームが前面に出てくるでしょうし楽しみですねー!
表紙はヴァーリになったらいいなあ(笑)。
ハイスクールD×D (19) 総選挙のデュランダル (富士見ファンタジア文庫)
KADOKAWA/富士見書房
2014-11-20
石踏 一榮

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ハイスクールD×D (19) 総選挙のデュランダル (富士見ファンタジア文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック