【感想】小説 ギルティクラウン レクイエム・スコア Ⅳ

ノベライズ版ギルティクラウン、完結!

1月に1巻が発売して以降、2ヶ月おきに刊行されていたこの「レクイエム・スコア」もこの4巻でラスト。アニメ本編の最終章である18~22話がノベライズ化。
涯・集・綾瀬と続いて最後の表紙はいのりでした。

さてこの最終巻ですが。
これまで1&2巻は涯、3巻はけっこうダリルメインかな、という内容でしたが、今回は特定の人物ではなくメインキャラ全員の視点をしっかり描いている群像劇といった形ですね。あえていうなら主人公である集以外の。
そして地の文で心情描写がされていることももちろんありますが、アルゴ・綾瀬・谷尋たちみんなが集の事をアニメ本編よりほんの少しだけ思いやってるので和解がよりスムーズにいった印象です。「友情」というテーマがきっちり生きてたというか。
そして涯との最終決戦ではみんなの心をいのりが集めて剣にするという形になったのもよかった。

あと城戸が涯についた理由なんかもうまく補完してありましたね。もともと古参であることはアニメでも予測できてましたが、アフリカ時代からのもっとも古い涯の同士だったという設定に。
そしてアフリカで出会った四分儀と三人で葬儀社を立ち上げたということであれば、最後に城戸と対峙したのが四分儀だったのもしっくりくる。

そしてダリルとローワンの関係も2巻から少しずつ描かれていましたが、最後に少年時代の記憶を取り戻してローワンのことを思い出し、彼のファーストネームをダリルが呼ぶところはぐっと来るというか。
ダリルはアニメだとツグミの影響が大きかった印象ですが、小説版では自分の巻き添えで処罰されそうになるローワンをかばったりと人間味が描かれてましたし。
唯一の味方としてローワンの存在があったことはダリルってキャラにも救いがあった気がします。

救いといえば3巻の冒頭で真名から酷い裏切りというか拒絶を受けた涯も報われていました。いのりを化物呼ばわりする自分もまた実験体であり化物だという苦しみとかも描写されてましたしね。
アニメで見たときは18話でいのりが怪物化した場面は唐突にも思いましたが、小説の「プリンセス・オブ・デッドプール」やゲーム「ロストクリスマス」なんかを読んだりプレイした後だと、彼ら実験体がどれだけ悲惨な改造や実験をされていたかよくわかるのでより感情移入できたなあ。

あと真名に関してもどこまでが真名でどこからがAPウィルスに乗っ取られた人格なのかとかも書いてあったり、集も真名のことを想う気持ちが見えたことでかなりキャラクターとしては救済された気も。

エピローグではアルゴ・四分儀・春夏のその後、そして何より日本がどうなったのかも記述があったのでよりすっきりしたかな。
春夏に関してはハッピーエンドとはいえませんが、犯した罪を思えばあの結末も仕方ないという気もします。

そう言えば嘘界が小説オリジナルの旧型エンドレイヴ「マリオネット」を操作する場面もあったんでどんなものなのかちょっと絵を見てみたいかも。最後まで小説でも大いに暴れてくれました(笑)。

これで全4巻の小説「レクイエム・スコア」も完結。集視点のアニメと合わせて非常に楽しめるいい出来でした!

ギルティクラウン レクイエム・スコア 4/ゆうきりん
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著者ゆうきりん(著)出版社徳間書店発行年月2012年08月ISBN9784198509170ページ数


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